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開口部
開口部にはもちろん断熱サッシを使います。
全て木製・・・といきたかったところですが、さすがにコストがかかりすぎるためリビング廻りの数ヶ所にとどめ、他は樹脂製のサッシを使いました。
外壁
外壁の仕上としてはモルタル塗りとサイディングが一般的ですが、ここでは環境への配慮から木を張ることにしました。
選んだ材料はレッドシダーです。
張った当初は写真のように白っぽい色をしていますが、これが時を経ると次第にしぶい焦げ茶色へと変化していきます。 都市計画区域内では防火性能のない材料は外壁に使用できませんから、防火処理を施したものを使います。 |
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断熱材
通常、断熱材として使用するのはグラスウールか発泡ウレタン系ですが、ここではセルロースファイバーを使いました。
セルロースファイバーとは古紙を粉々に粉砕し、ホウ酸とホウシャというものを混ぜて作るリサイクル素材です。
綿状に仕上げているので、たくさんの空気を含み、熱を伝えにくく、高い断熱効果が得られますし、吸音効果も高いです。
木からできている自然素材なので、木材や珪藻土のような調湿性があります。
つまり、湿度が高い時には空気中の水分を吸収し、湿度が低いと時には内部の水分を空気中に放出するわけです。
これは断熱材としては画期的な性能であり、通常の断熱材は湿気を帯びるとどうしても性能が低下してしまいます。
その理由としては、水分が空気の30倍ほども熱を伝えやすいからです。
この時セルロースファイバーは、他材のように単に「濡れてしまう」のとは違い、水分を自然に内部に取り込むことにより性能の劣化が起きないのです。
そして、調湿性があるということは、あの恐ろしい内部結露にも強いということですね。
また、火に会うと表面が炭化してしまうために燃えにくく、防火性能についても優れています。
セルロースファイバーは、通常の場合、壁内にセットした袋に吹き込んで充填させます。
この密度が高いほど高い性能を発揮します。
この工法ですと隙間なく充填させられるので、ウレタン系の断熱材より施工性の面で優れていますし、隙間ができないということは計画した性能が確実に出るということがいえます。
もちろん他の断熱材のようにゴミとして後々まで残ることはなく、土に帰る材料です。
このようにいいことずくめのセルロースファイバーなのですが、ひとつだけ欠点があります。
それは・・・コストがかかる・・・という点です。
ウレタン系の断熱材に比べると、30坪の住まいで坪3万円ほどアップします。
この住まいでは「地球にやさしい健康住宅」を目指していたので、迷わず使うことにしました。
ここでグラスウールについて一言。
この材料は施工しやすい上に安価なので採用する例が多いのですが、いったん水に濡れてしまうと断熱性能は0に近くなります。
壁内は乾きにくいので、性能が全く出ない状態がずっと続きます。
断熱材が濡れてしまう原因としては、漏水の他に結露もあり、この結露を全ての場所で完全に防ぐのはけっこう骨が折れます。
ですから、個人的には使用を避けたい建築材料のひとつですね。
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