ブルックナー

クラシックの愛聴盤 ブルックナー

 

クラシックの愛聴盤 --- ブルックナーの交響曲

 
 
ブルックナーは今でこそ好きな作曲家の一人なのですが、その音楽が理解できるようになるまでは自分にとって退屈な音楽を作る作曲家の代表格でした。
突然全休符でオーケストラが沈黙してしまったかと思うと、次の瞬間、不器用にけたたましく鳴り響く金管楽器。
ブルックナーの交響曲にはベートーベンのそれのように曲のクライマックスに向けて高揚していく精神性にも欠けるし、だいたい音に連続性がない部分が多く、聴いている自分自身をどう盛り上げていっていいのか全くわかりませんでした。
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ところが、合唱指揮者であり、評論家でもあり、そして大のブルックナーファンでもある宇野功芳氏の著述に出会い「ブルックナーを聴くコツ」がわかってからは状況が一変し、自分にとってなくてはならない作曲家になりました。
これだからクラシックって面白いですね。



交響曲大4番(ロマンティック)
ブルックナーの交響曲としては一番メジャーな曲でコンサートでの上演回数も多いようですね。
そういう意味ではブルックナー初心者向きの曲と言えるかもしれません。
ブルックナーのファンではなかった頃の自分でもこの曲は自然に耳に入ってきましたから。
第1楽章は柔らかなホルンの響きから始まり、自然に盛り上がっていくので聴きやすく、中期の曲の中では一番とっつきやすいメロディを持っています。
第2楽章は森の中を散策するようなイメージの美しい曲なのですが、初めて聴く人にとってはちょっと冗長に感じられるかもしれません。
第3楽章は狩りのテーマのようなホルンのメロディが楽しく、最も聴きやすい楽章ではないでしょうか。
さて、第3楽章までは比較的聴きやすいのですが、フィナーレ(第4楽章)がちょっと難物です。
でも、いかにもブルックナーらしい楽章とも言えます。
フィナーレのスケールと出来映えは第8、第5に続くもので、実はこの曲の一番の聴き所といえる楽章なんですね。


最初に買ったレコード(ブロムシュテット+ドレスデン)のジャケットが森林の写真だったので先入観ができてしまったのかもしれませんが、この曲は「森林」という形の自然を表現しているような気がします。
そういう意味では第8が表現している自然よりはスケールが小さいのですが、一方で、そのことが身近な自然としての親しみやすさを感じさせてくれているのではないでしょうか。



交響曲第5番
このブルックナーの第5を聴くと、思わずゴチック様式の壮大な大聖堂を思い描いてしまいます。
大聖堂は巨大なスケールの空間を持っていると同時に、一方では細やかな細工を施した装飾・彫刻に埋め尽くされています。
小さな装飾がより集まって大きなスケールの空間を形作っているようにも見えますが、それでいて大きな空間の造形がくずれてしまうことがありません。
細部と全体の調和・・・といったらいいでしょうか。
ブルックナーは小さくて魅力的なフレーズをいろいろな形に変えて積み上げ、それらを集めて次第に巨大な曲としての造形を与えるような曲の作り方をしています。
ブルックナーの交響曲は全体的にそういう傾向があるのですが、この第5はそのスケールの巨大さと技巧の巧みさでそれが顕著です。
特にフィナーレの見事さは第8と双璧をなしていますね。


ただ、ブルックナーファンではない人にとってこれほどとっつきにくい曲もないでしょう。
比較的流暢に流れる第4を聴いた後にこの第5の第1楽章を聴くと、休止、進行、休止の繰り返しでなかなか流れにのっていけずイライラするかもしれませんね。
とても美しいメロディを持つ第2楽章、そして第3楽章はいいとしても、最終楽章はかなりゴツいです。(でもこれこそがブルックナーの真骨頂なんです。)
これは曲の構造をある程度理解していないとわけがわからないです。
ちなみに形式はフーガです。(あのバッハで有名な・・・)
でも、一度このことを理解してしまうと面白いのなんのって。
ひとつの主題がいろいろ形を変えてからむ様子は圧巻で、この細部のからみについては聴けば聴くほどに新しい発見があり、何度聞いても飽きることがないんですね。

朝比奈隆+大阪フィルの演奏がブルックナー独特の細部の美しさと全体の造形の確かさを両立させた見事な演奏です。



交響曲第6番
ブルックナーの交響曲の中では比較的地味な存在です。
実はこの曲を初めて聴いた時(ブルックナーファンになる前です)、「なんて変な曲なんだ」と思いました。
第1楽章の第1主題があまりにも異様に聞こえたんですね。
なんか田舎くさくてぶっきらぼうというか、とにかく他のロマン派の作曲家の曲を聞き慣れている耳には、あり得ないメロディ・・・でしたからね。
でも、今ではこのメロディ、大好きです。(思わず口をついて出てきてしまうくらいに)
そして、美しい第2楽章も。
地味な存在ゆえにあまりコンサートでとりあげられることのない曲ですが、ぜひ生で聴いてみたい曲のひとつです。
よく聴くのが、ヨッフム+ベルリンフィルでしょうか。



交響曲第7番
ブルックナーの交響曲で一番初めに知ったのがこの曲でした。
第1楽章の魅力的な主題、葬送がテーマである第2楽章、と比較的わかりやく、ブルックナー入門に適した曲なのではないでしょうか。
第1楽章はとにかく雄大に、そして流麗に流れていきます。
まだブルックナーが理解できなかった頃、この第1楽章だけは気に入っていて何回も聞き直した覚えがあります。
ワークナーの追悼のために書いたといわれる第2楽章の葬送は個人的には他の楽章とのつながりに違和感を感じるのですが、ひとつの曲としてはたいへん美しいと思います。
そして、第3楽章・・・。
ブルックナーの数あるスケルツォ楽章の中で一番好きなのがこれです。
アルプスの山々を思わせる第8、天地の鳴動を感じさせる第9。
でも、第7からはもっとスケールの大きな宇宙の鳴動のようなものが感じられます。(この表現は宇野氏の受け売りですが、これが一番適当な表現なんですね)
フィナーレのスケールがそれほど大きくないため、聞き終わった時の手応えがいまひとつなのが残念といえば残念です。
朝比奈隆+大阪フィルがブルックナーの聖地フローリアンで行った演奏の響きがとてもいいと思います。
新盤のどっしりと腰を落ち着けた演奏もいいですね。



交響曲第8番
自分にとってはいろいろな意味で記念碑的な曲です。
なぜなら宇野氏の詳細な解説を読んでこの曲に再挑戦する気になり、結果的にブルックナーのファンになったからです。
最初に聴いた時にはほとんど理解できず、それから1年ぐらいは聴くこともなかったんですね。
ところが、退屈でしかなかったブルックナーの曲が実は非常に緻密に計算されてできたものだと知り、もう一度聴いてみる気になったというわけです。
こういう気持ちになったのは宇野氏の文章の巧みさによるところが多いです。
従って、再挑戦は感性ではなく頭から入ったわけですが、そこから感性的な満足感に行き着くことができました。
宇野氏の言う「ブルックナーを聴くコツ」を自分なりに要約すると、「細部の小鳥のさえずりに耳をかたむけ、自然に接するように聴く」というものでした。
それが身に付いてくると、もうやみつきになります。
そしてその後は、ブルックナーのことをあまり理解していない大御所指揮者がいることにも気づくことになります。
無理にストーリ性やドラマ性を与えようとしてまるでベートーベンの交響曲のようになってしまった結果、細部の美しさが失われてしまった演奏。
一方では、変に情緒的になったり感傷的になったりしてしまった結果、不自然で聴くにたえない演奏。
自分だけの思いこみかもしれませんが、自分からすれば神に近い存在の大指揮者がもしかしたら自分よりブルックナーがわかっていないかもしれないということ・・・これはけっこう快感です。
これもブルックナーを聴く醍醐味のひとつかもしれませんね。


第8は第5とともにブルックナーの交響曲で最大級の作品で、これ一曲で一夜のプログラムを占めることもあります。
緊張感あふれる第1楽章に天国的な第3楽章。
そして、第4楽章でそれまでに出てきた主題が一同に会して迎える劇的なフィナーレにはただただ圧倒されます。
第8はシューリヒト+ウィーフィルをよく聴きます。
非常に淡泊であっさりめの演奏だけれど、このように何も飾らないところが本質に迫っているような気がしますね。
ちょっと手応えのある演奏を聴きたくなったら、クナッパーツブッシュ+ミュンヘンフィル、朝比奈隆+大阪フィルの新盤、あたりでしょうか。



交響曲第9番
ブルックナーの交響曲の中では一番好きな曲です。
第8が色づいた自然を描いているのなら、こちらは無色透明の自然・・・といったらいいでしょうか。
ブルックナー自身が神に捧げようとしたといわれるこの曲は精神性で比類のない高みにまで達しています。
この曲の前では第8でさえも前座になってしまうぐらいの重みのようなものがあり、聴く方にもそれなりの心がまえを要求するような厳粛さが感じられます。
これから何か事が起こるぞ、という感じで始まる第1楽章の開始部にはいつもワクワクさせられます。
そして、壮大な第1主題が姿を現すのですが、実はブルファンになる前に聴いた時には、最初に出てくるこの第1主題が全く理解できませんでした。
宇野氏の言葉を借りれば、「自然、そして宇宙の鳴動を表している」ということになりますが、とにかく聴く度にズズーンと衝撃を受けますね。
そして涙が出るほど美しい第2主題の後、小鳥のさえずりを経てこれまた美しい第3主題・・・もう何も言うことありません。
そして、天地の鳴動のような第2楽章の後は、神々しいほどに美しく、そしてはかない第3楽章。
この曲を聴くと、一歩一歩大地を踏みしめて神々の待つ山の頂へと登っていくような印象を受けます。
途中様々な苦難が現れ、ある時は克服し、ある時は打ちのめされながら進んでいくと、最後には天国的な平安が訪れ、終曲となります。


朝比奈隆+大阪フィルの第9のコンサートではこの終曲の後にかなり長い時間の沈黙があり、それまでうつむき加減でじっと静止していた巨匠が納得したように顔を上げた瞬間に嵐のような拍手がわき起こりました。
今でも忘れることのできない感動的な瞬間でした。


最終楽章無しの未完成に終わったことはとても残念ですが、消え入るように終わる第3楽章のが充分フィナーレの役割を果たしていると思います。
ブルックナーの遺したスケッチからフィナーレを再現する試みもされているようですが、それを聴いてみたところやはり結晶化不足で違和感を感じました。
でも、ブルックナーがもしこれを完成したとしたらいったいどんなフィナーレになったのでしょうか。
この曲の演奏では、必要以上にテンポを動かしたりとか余計な味付けをすることなく、ただひたすらブルックナーのことを信じて演奏しきったものが名演になるのだと思います。
言うまでもなく、愛聴盤はシューリヒト+ウィーンフィルです。

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